外食アワード
 外食産業記者会の創立25周年記念事業として制定した表彰制度は、今般第13回目になります。
選考委員会は、このたび「外食アワード2016」の選考作業を終え、表彰対象者(受賞者)として分野別に合計5氏1団体を決め、ここに発表します。
  また、2016年は外食から見てどんな年であったか、どんなことが話題になったのかを象徴する言葉として、選考委員会は5つの「2016年外食キーワード」を選びました。
 
 
うすい・おきたね
臼井 興胤
株式会社コメダホールディングス 代表取締役社長
《表彰理由》
郊外型喫茶チェーンのビジネスモデルを先駆けてつくり、事業規模を拡大。シニア層から高い支持を得て、他社が追随する中でも業績を伸ばし、2016年6月には東京証券取引所第一部に上場した。出店エリアを拡大し、同年8月には国内700店舗を達成。得意とする郊外ロードサイド立地から都心部まで含めた積極的な事業展開を進めている。
 
かねこ・はじめ
金子 源
株式会社アクティブソース 代表取締役
《表彰理由》
大衆居酒屋「晩杯屋」が好調。料理のほとんどが100円台という圧倒的な安さと、それを実現する仕入れ力、使い勝手の良い店づくりで、これまで多店舗化することの難しかった「センベロ」(千円でベロベロに酔える低価格の店)業態のチェーン店化を進めた。中目黒や銀座といったエリアにも積極的に出店をし、2017年1月末現在で23店舗を展開。2016年8月にセントラルキッチンをつくり効率化を推進し、さらなるチェーン展開に拍車をかける。
 
ますだ・あきら
増田 昭
有限会社アール.アンド.ビー守破離 代表取締役
《表彰理由》
ローストビーフ丼とアメリカンステーキの「Red Rock(レッドロック)」を、兵庫県神戸市を中心に全国に9店舗展開。増田氏が考案した「ローストビーフ丼」は、ヘルシーな赤み肉をダイナミックに演出。SNS時代にマッチした見た目で注目を集め、肉業態が好調な市場で新たなヒットコンテンツとなった。丼モノの気軽さとローストビーフの贅沢感を併せ持つ「ローストビーフ丼」は業態適応力が高く、専門店だけではなく居酒屋やバルなどでも提供されるようになった。
 

かざと・まさよし
風戸 正義
国際すし知識認証協会 代表理事

  

やまがた・ただし
山縣 正
全国すし商生活衛生同業組合連合会 会長

《表彰理由》
海外における、すしの調理衛生技術の向上に貢献。世界的なすしブームの中、生食文化のなかった国の人により調理がなされ、生食に起因する事故も多く発生。その状況を鑑み、全国すし商生活衛生同業組合連合会は、国内外のすし店関連で働く人を対象に、すしの調理衛生指導者の資格として「すし知識海外認証制度」を立ち上げた。国際すし知識認証協会は、その事業を継承し、国内外で講習会や認定試験を開催。500人以上の認定者が世界各地で活躍している。また、世界各国のシェフが集ってすしの調理衛生技術を競う「ワールドスシカップ」を2013年より開催。日本のすし文化の世界への発信に寄与している。
 
さいたまヨーロッパ野菜研究会
《表彰理由》
2013年にさいたま市のレストラン事業者が立ち上がり、行政等のバックアップを得ながら、地元の種苗メーカー、生産者、そして物流業者とパートナーシップを取って、カーボロネロ(黒キャベツ)やゴルゴ(渦巻きビート)などヨーロッパ野菜の生産と普及を推進する。地元の専門レストランはクオリティの高いメニューを提供して消費者からの高い支持を獲得し、埼玉県内での取引レストランは1000軒を超える。生産者は農事組合法人を結成するなど、地産地消、農商工連携のモデルケースとして成長している。
 
 


2017年2月22日(水)アワード表彰式で集まった受賞者のみなさま
日本プレスセンター内レストラン「アラスカ」にて
 

「ローストビーフ丼」
ローストビーフを山盛りにした丼ぶりが話題に。見た目の豪華さに加え、コストパフォーマンスの良さが人気を呼んだ。メディアに多く取り上げられたことで、ローストビーフという商品を再評価するきっかけにもなった。

「フォトジェニック」
SNSが一般化したことで、写真映えのする料理がネットなどで取り上げられる機会が増えた。店側もそれを意識したメニュー開発をするようになり、「インスタジェニック」などの造語も生まれた。

「パクチー」
エスニック料理などで多く使われる野菜の一種。独特の強い香りがあり、嫌う向きもあるが、「マニア」的に好きな層が増え、注目されることに。アジア料理が日本で受け入れられてきた象徴的な存在といえる。

「外国人雇用」
若年層の人口減少を背景に、飲食店の現場では外国人労働者が当たり前になってきた。かつてのような補助的な労働力ではなく、重要な働き手として位置づける企業が増えてきている。

「ロボット化元年」
ヒトを介することが当たり前だった外食産業やサービス業において、ヒトの動きを機械に置き換える動きがいよいよ始まった。現状はごく一部の業務に限られてはいるが、今後の大きな動きとして注目される。

 

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