外食アワード

外食産業記者会の創立25周年記念事業として制定した表彰制度は、今般第19回目になります。選考委員会は、このたび「外食アワード2022」の選考作業を終え、表彰対象者(受賞者)として分野別に合計6氏を決め、ここに発表します。
 また、2022年は外食から見てどんな年であったか、どんなことが話題になったのかを象徴する言葉として、選考委員会は6つの「2022年外食キーワード」を選びました。

 
 
しもとおの・わたる
下遠野 亘
株式会社スパイスワークスホールディングス 代表取締役社長
《表彰理由》
飲食店経営と内装デザインのハイブリッド経営を行い、業界屈指のヒットメーカーとしてこれまでにも「肉寿司」等のヒット業態、繁盛店を数多く手掛けてきた。 他社との連携による飲食商業施設の開発にも熱心で、その中でも2022年度の活躍は目覚ましく「代々木のれん街倉庫別館」、「国際通りのれん街」増床、「浅草横町」と、立て続けにオープンし、街に活気をもたらす原動力となっている。また「スシンジュク」を代表とする「カタカナスシ」と呼ばれる寿司酒場業態のブームの火付け役となった。
 
うちやま・まさひろ
内山 正宏
株式会社MUGEN(ムゲン) 代表取締役
《表彰理由》
居酒屋業態を核としながら、4年連続でミシュランガイド東京の一つ星を獲得した「天婦羅みやしろ」や「鮨つきうだ」を展開し、コロナ禍でも繁盛店づくりに成功。高級業態に挑戦したいと考える居酒屋経営者が増える中で、そのお手本的な存在となった。労働時間の制約があっても若手が質の高い修業を受けることができる仕組みを構築し、1万円コースのすし店「鮨おにかい」を4店舗に拡大している。また、店舗で未利用魚を積極的に活用する「もったいないプロジェクト」を推進し、早くからSDGsに取り組んでいる。
 
りょう・ほうしょう
梁 宝璋
株式会社味坊集団 代表取締役
《表彰理由》
梁氏の出身地である中国東北地方の料理を再現・提供したことで、本場の味を求める利用客の人気を博し、東京都内を中心に流行しつつある「ガチ中華」の先駆けとなった。また中国料理にナチュールワインをペアリングするという、新たな食の楽しみ方を提案。東北地方料理だけでなく、北京料理や広東料理、湖南料理、中国各地の蒸し料理を提供する店舗もそれぞれ展開しており、2022年6月には東京・秋葉原にそうした中国各地方の料理を1つの店で楽しめる「香福味坊(こうふくあじぼう)」をオープンし、日本への中国の食文化紹介に貢献している。
 
とば・しゅうさく
鳥羽 周作
sio株式会社/シズる株式会社 代表取締役
《表彰理由》
「幸せの分母を増やす」ことをテーマに多方面で活躍。ミシュランガイド東京で4年連続一つ星を獲得する「sio」を運営しながら、星付き店を作るのと同じ熱量で、居酒屋や洋食店などを出店・プロデュースし、コロナ禍でもさらなる店の活性化を図って集客してきた。外食企業やコンビニとのコラボ商品も多数展開。SNS、YouTubeでのレシピ等の情報発信力も注目され、音楽、ファッション、カルチャーの世界とも複合的にコラボしたブランド構築は、レストランの枠を超えた新たな飲食店のあり方として、多くの外食プレイヤーに影響を与えている。
 
いけはた・ゆうき
池端 由基
LINE株式会社 上級執行役員 
広告・法人事業統括 マーケティングソリューションカンパニーCEO
《表彰理由》
メッセージアプリ「LINE」と連動した様々な飲食事業者向けサービスを展開。友だち追加したユーザーにメッセージ配信ができる「LINE公式アカウント」や、モバイルオーダーなどの「LINEミニアプリ」、来店予約ができる「LINEで予約」などを提供。およそ9300万人(2022年9月末時点)と日本最大級の国内月間利用者数を生かし、これまで顧客との連絡手段を持たなかった飲食店に顧客とのつながりを創出。同時に、従来アナログで行っていた作業をLINE内で完結させ、飲食業界のDXを推進した。
 
いしの・はるき
石野 晴紀
北日本カコー株式会社 代表取締役社長
《表彰理由》
回転寿司用コンベアの製造・販売で圧倒的なシェアを誇り、寿司などをトレーに載せ、席番号を押すだけで迅速かつ確実に注文者のもとに届ける「特急レーン」付コンベア機は、回転寿司店のみならず、多くの焼肉店でも導入された。導入店は「特急レーン」で人手不足を補い、エンターテインメント性でファミリーなどを惹きつけており、同社ならではの外食の現場を熟知した製品がコロナ禍で真価を発揮した。
 
該当者なし
 

2023年1月18日(水)アワード表彰式で集まった受賞者のみなさま
「居酒屋JAPAN/焼肉ビジネスフェア」会場内(池袋サンシャインシティ文化会館)にて

 

円安・コスト高
人件費はもちろんのこと、ウクライナとロシアの戦争に伴う食材、エネルギー(ガス・電気)の高騰など、あらゆるコストが上がった。さらに円安が拍車をかけ、企業努力だけでFLコストの上昇を食い止められないレベルに達した。

値上げラッシュ
円安・コスト高が企業努力では吸収できないレベルに達したため、規模の大小を問わず、値上げラッシュが続いた。特に大手飲食企業は、できるだけ提供価格の値上げを避けようと努力してきたため、値上げ幅が小刻みになり、1回にとどまらず、2回、3回と五月雨式に値上げする動きが目立った。

インバウンド再開
新型コロナウイルス感染症のまん延による外国人の新規入国制限が2022年10月11日に解除され、これまで「特段の事情」があるとは認められてこなかった人の新規入国が約2年半ぶりに可能となったことで、インバウンド需要が再開した。

韓国業態
若い世代を中心に韓国業態の人気が再び上昇。コロナ禍で海外旅行が制限されていたこともあり、「国内で韓国を楽しめる」と、ネオン管を配したいわゆる「ネオン管系」の韓国酒場や韓国食堂、ヤンニョムチキンの専門店など、幅広く韓国業態が支持された。

冷食グルメ
急速冷凍機と冷凍自販機の普及により、「レストランや居酒屋など、外食の味が家庭で食せる」と、人気が高まった。一部の有名店の商品は小売店でも販売されるなど、家に居ながらにして外食の味が楽しめる新たな需要がコロナ禍を機に醸成された。

シューマイ
シューマイ酒場が増え、居酒屋メニューの一品としても、シューマイが広く浸透し、定着した。

 

特別協賛:焼肉ビジネスフェア事務局/居酒屋JAPAN事務局
 

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