外食アワード

外食産業記者会の創立25周年記念事業として制定した表彰制度は、今般第22回目になります。選考委員会は、このたび「外食アワード2025」の選考作業を終え、表彰対象者(授賞者)として分野別に合計5氏を決め、ここに発表します。
 また、2025年は外食から見てどんな年であったか、どんなことが話題になったのかを象徴する言葉として、選考委員会は5つの「2025年外食キーワード」を選びました。

 
 
さきた・はるよし
崎田 晴義
株式会社資さん 代表取締役会長
《表彰理由》
2024年10月のすかいらーくHDとのM&Aを機に、全国進出への機運を高めていた北九州のソウルフード「資さんうどん」の成長がさらに加速。全国区へと一気に拡大し、地方のローカルチェーンが全国市場で成功する事例として注目を集めた。グループの成長戦略の更なる加速を目指す、すかいらーくHDと、経営の安定化や全国ブランドへの飛躍を目指す「資さんうどん」の双方にメリットをもたらし、新店舗では常に行列が絶えることがない人気を獲得。活性化している外食M&Aの中でもウィンウィンの成功例として注目された。全国展開が進んだことにより、うどんや丼などで構成される独自のメニューや、これまで培ってきた業態力が既存のうどんチェーン市場に新風を吹き込み、新たなうどんチェーン勢力としての地位を確立している。
 
ながお・しんじ
長尾 真司
株式会社ONODERAフードサービス 代表取締役社長/株式会社なだ万 代表取締役社長
《表彰理由》
個の職人技が際立つすし業界において、組織力をもって、すし業界の活性化に多大なる貢献に努めている。同社が展開する「銀座おのでら」ブランドは、高級路線から日常使いまでを網羅する5つのブランドを設け、多様な顧客ニーズに応えるだけではなく、職人育成の場としても機能し、次世代を担う人材の育成に尽力している。さらに、すし業態の枠に収まらず、薪焼き、海鮮丼、天ぷら、ラーメンといった幅広い業態を積極的に展開。これにより、和食の多様な可能性を提示し、マーケット全体の活況を創出している。また、日本料理の「なだ万」をグループ化し、老舗と新興を融合した新業態を出店。すしと日本料理の魅力を打ち出したコースを提供したことで、日本料理の新たな価値を試みている。
 
おおくぼ・のぶたか
大久保 伸隆
株式会社ミナデイン 代表取締役
《表彰理由》
スキマバイトのスタッフのみで営業する居酒屋の経営や、アップデートの止まった公園などを飲食店のチカラにより再生し、地域創生をはじめ、社会課題の解決を、飲食店経営を通じて実践。また、後継者難により消えゆく名店の味を承継していく「まぼろし商店」事業からの派生で、事業承継を「事業リスタート」に発想転換して焼肉「ニューみょんどん」を開業。閉店した各地の老舗店を「新橋に復活させるプロジェクト」も開始した。価格訴求軸とは一線を画し、創業店の「全国各地の名品セレクトショップ」の切り口で開業した居酒屋「烏森百薬」(東京・新橋)から一貫して、「飲食業としての価値」に着目して事業を展開している。
 
該当者なし
 
まつやま・かずお
松山 一雄
アサヒビール株式会社 代表取締役社長
《表彰理由》
『スマートドリンキング(スマドリ)』は、体質や体調、気分に応じて「飲む人も飲まない人も誰もが一緒に楽しめる」という、外食の根幹である共食シーンの構造的課題に対し、画期的なソリューションを生み出した。ドリンクメニューにおいて、ノンアルコール・低アルコールなど、ジャンルの垣根を越えた商品カテゴリーが飲食店に浸透。この取り組みは、飲酒文化そのものに新たな潮流を生み出し、外食シーンにおける顧客体験を劇的に向上させた。また、2025年3月に業務用商品として発売された「アサヒゼロ(小瓶)」は、独自のブリューゼロ製法によるアルコール分0.00%でありながら、消費者から「これだったら飲みたい!」と、本格的なビールらしい味わいを実現。ビールの代替品としてのイメージが定着していたノンアルコールビールテイスト飲料の枠を超え、独自の革新的な商品カテゴリーとして外食市場に浸透させた。
 
はまだ・ゆういちろう
濵田 雄一郎
濵田酒造株式会社 代表取締役会長
《表彰理由》
本格焼酎市場を牽引してきた芋焼酎市場が緩やかに縮小している中、発売から7年経った今も、新たな焼酎ユーザーの開拓に大きく寄与しているのが芋焼酎〈だいやめ~DAIYAME~〉。その浸透・拡大は業務用市場でも目を見張るものがある。みずみずしいライチを想わせるフルーティーな独特の香りは、長年研究を重ねて辿り着いた原料芋の熟成技術にある。その技術で熟成させた「香熟芋(こうじゅくいも)」と名付けた原料芋で仕込む〈だいやめ~DAIYAME~〉は、従来の芋焼酎の香りが苦手だった女性層や、飲酒経験の浅い若年層はもとより、幅広い層から支持を受けており、芋焼酎市場の今後の拡大の牽引役になることが期待されている。
 
 

令和の米騒動
米価格の高騰が外食業界にも大きな影響を与えた。2025年は政府による備蓄米放出が行われたが、値下げ効果は限定的で「令和の米騒動」は収束に至っていない。

生成AI
AIでメニュー表・POP制作、AIで料理レシピ考案、AIで口コミ返信作成、AIで内装デザイン…等々、飲食店でも生成AIが幅広く活用されるようになった。

全国最低賃金1,000円超え
2025年度の最低賃金は過去最高の63円アップ(全国加重平均)。すべての都道府県で最低賃金が1,000円を越える見込みとなり、人件費の高騰を象徴するニュースになった。

麻辣湯(マーラータン)
中国発祥の“シビ辛”のスープ料理。ヘルシーな春雨をメインにし、海鮮、肉、野菜の具をカスタマイズできるようにした専門店が急増し、若い女性に受けてブームになった。

朝食市場の拡大
これからの成長市場として「朝食」の営業を強化する外食企業や飲食店が増加。高級路線の朝食メニューが人気を集める他、チェーン店も朝営業に新たに参入し、朝食市場が拡大した。

 
特別協賛:焼肉ビジネスフェア事務局/居酒屋JAPAN事務局
 

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